医師会ニュース

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2022年06月01日

***医師会だよりNo.27***

帯状疱疹と予防ワクチンについてのお話

帯状疱疹という病気を知っていますか?顔やうで、腹部、下肢などの体の半分に、ある一部分だけにチクチク、ピリピリといった痛みから始まり、赤いブツブツができ、水疱になり広がっていきます。病名通りに、ブツブツが帯のように広がるのが特徴の1つです。痛みの程度やブツブツの出方は人それぞれですが、帯状疱疹後神経痛という後遺症が長期に渡って続くこともあり、注意が必要です。
水痘・帯状疱疹ウィルスというウィルスが原因となります。水痘(すいとう)とは「みずぼうそう」という意味で、子供のころに感染することが多い病気です。水痘患者から空気感染により広がります。「みずぼうそう」は水痘ワクチンを接種することで予防でき、日本では2014年から小児に定期接種するようになりました。1度水痘を発症した方はウィルスをずっと保持しつづけます、そのため2度と水痘に罹患することはありませんが、帯状疱疹を発症する可能性があります。帯状疱疹は加齢、ストレス、過労など免疫力の低下によっても発症しやすくなると言われています。そのため、若年者でも発症する病気ではありますが、水痘発症後数10年経過した50代以上の比較的高齢な方に多く発症する特徴があります。
近年、帯状疱疹の発症を予防するワクチンが開発されました。予防効果は非常に高いとされていますが、2回接種が必要なこと、保険適用ではありませんので費用が高額になること、副反応が出やすいとも言われています。また従来の水痘ワクチンを接種する方法もあります、費用は安く抑えられますが予防効果は劣ります。帯状疱疹は基本的に再発することは稀とされています。帯状疱疹を経験された方は予防接種を打つ必要はありません。
帯状疱疹予防接種をご希望される方は、かかりつけの病院、皮膚科などに相談してみてください。