医師会ニュース

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2010年10月01日

***医師会だよりNo.4***

エンジェルプロジェクト

 皆さん子育てで悩んだことはありませんか。また妊娠、出産に関して不安を抱えていませんか。これらは誰も一度は経験することです。そんな場合、自分一人で悩みを抱え込んでしまったり、周囲に八つ当たりしたり、悪いとは思いながらも思わず子供に手が出てしまったりすることがあるかもしれませんね。しかし、虐待には暴力からネグレクト(育児放棄)までいろいろありますが一朝一夕に起こるわけではありません。また一方的にその親が悪いわけでもありません。ちょっとした問題がたくさん積み重なって最終的には最近マスコミをにぎわせているような虐待に発展するようです。さらに虐待は次の世代、すなわち虐待された子供たちにも影響するともいわれており、この連鎖を断ち切るために国や県、日本医師会などに対策委員会が発足しています。
 尾道市医師会では平成11年度から少子化対策等委員会を立ち上げ、平成18年度からは子育てに関するさまざまな問題を協議し対処するために「エンジェルプロジェクト」を開始しています。構成メンバーは、尾道市医師会理事、産婦人科医師、小児科医師、市職員(健康推進課、子育て支援課)、助産師、民生児童委員、社会福祉協議会などです。
 妊娠中から就学前の子供を育てている母親を対象に子育て支援を行い、虐待の芽を早期から摘むために、母子手帳発行時、分娩前、産科入院中、1カ月健診時、1歳6カ月児健診時、3歳児健診時にアンケートを実施し、子育てに関する不安の状況を把握して新生児訪問や子育て相談に役立てています。さらに、平成22年度からは小児科医師と市健康推進課の担当者が連携して5歳児発達相談を始めました。個別に助言や指導することにより保護者や保育士・幼稚園教諭の不安を解消し、就学にむけて早期から適切な環境づくりや対応がとれるように対処しています。
 皆さんも妊娠出産や子育てに不安や悩みがあれば、総合福祉センター内の健康推進課や旧筒湯小学校内の子育て支援センター、かかりつけの産婦人科や小児科、尾道市医師会の担当理事にお気軽にご相談ください。また、お話がしにくいようでしたら地区の主任児童委員の方にご相談いただくという方法もあります。
 私たちは地域のみんなで支える、安心の子育て、母子へのサポート、虐待防止のプロジェクトを目指しています。