尾道市医師会 会長 森本茂人


会 長 挨 拶
                  
 尾道市は広島県南東部の瀬戸内海に面して位置し古くから栄えた港町です。
 愛媛県今治市と7つの架橋で結ばれるしまなみ海道(西瀬戸自動車道)の起点となっており「文学のまち」、「寺のまち」とも呼ばれ多くの文人墨客の足跡や古寺が残る風光明媚な観光地でもあります。現在尾道市は何度かの合併で中山間・島嶼部の向島、御調、因島、瀬戸田と一緒になり人口は14万人強、高齢化率は全国平均より高い約31%となっています。
尾道市医師会は明治40年に設立され2006年には創立100周年を迎えました。現在の医師会員数は約300名、医師会職員数は140名程です。
 医師会事業としては看護養成(看護専門学校、准看護学院)、介護老人保健施設、訪問看護ステーション、ヘルパーステーション、居宅介護支援事業所等があります。尾道の基幹病院は西に災害・がん拠点病院として周産期センターにNICUも配備したJA尾道総合病院、東に夜間救急診療所を併設する尾道市立市民病院、北には回復期リハビリ、緩和ケア病棟を中心とした公立みつぎ総合病院があります。また生口島には市民病院附属の瀬戸田診療所も有しています。
 尾道ではこれら急性期病院と開業医が一体となった地域医療連携と患者さん本位の地域包括ケアシステムが機能しており、全国的にも高い評価を受けています。このうち「御調方式」は寝たきりゼロを目指して急性期病院から回復期リハビリ、在宅サービス、緩和ケア病棟までのハード面が整備され医療、介護、保健、福祉が継ぎ目なく連動して市北部で地域完結型のケアシステムを構築しています。また「尾道方式」はかかりつけ医を中心に医療、介護・福祉が連携をとり、多職種協働により利用者が住み慣れた在宅で療養できるシステムが構築され、在宅での緩和ケア・看取りにまで対応しています。
 さらに医師会では現在地域ICTの基盤整備が進行中です。これは患者さんの診療情報、画像・検査データ、薬剤情報等を急性期病院、回復期病院、開業医のみならず歯科、調剤薬局、訪看、介護施設等が共有して患者情報の伝達を効率化するものです。さらに昨年末には「尾道地域医療連携推進特区」の承認も受け、地域ICTのさらなる促進と対象施設の拡大、その他遠隔地画像診断や情報機器による服薬指導、離島への薬剤搬送等の事業を検討計画中です。
 当医師会圏域も他の地方医師会と同様自治体病院を中心とした医師不足は深刻で救急医療はじめ医療体制全体が厳しい状況に置かれています。しかしその中にあって尾道市医師会は基幹病院と密に連携を取り、さらに介護・保健・福祉が連携・協力し合ってこの状況を乗り越えるべく努力しています。
「安心して老後は尾道を終の棲家にしたい。」そういう医療圏を尾道市医師会は目指しています。
 (平成24年4月 尾道市医師会 会長 森本茂人)