医師会ニュース

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2017年06月01日

***医師会だよりNo.17***

運動機能の衰えを感じたら ロコモティブ症候群かもしれません

 ロコモティブ症候群(通称;ロコモ)は、骨、関節、筋肉といった運動器の機能が衰えてきている状態を指します。「最近、つまずきやすくなってきた」「ちょっと膝が痛むことがあるな」と感じたときはありますか。「仕方ない、年だから」「生活に困らないから大丈夫」と思うでしょうか。
 実は、つまずきやすくなったり、膝が痛くなったりする状況はロコモの始まりです。加齢とともに運動機能が低下していくのは、ある程度は自然なことです。しかしその流れに任せたままにすると、自力で立てない、歩けない、という生活が待っている恐れがあります。自分の年齢にあった「運動器の健康」を手に入れ、より長く自立した生活を送るための対策が必要です。普段から、体操、ウオーキングをしている方はそのままぜひ続けましょう。運動習慣のない方には、ロコモーショントレーニング(ロコトレ)の「開眼片足立ち」と「スクワット」をお勧めします。
 なぜこの2つか。歩くことは、片足立ちを左右交互に繰り返す動作です。片足立ちはこのためのバランスを鍛えるトレーニングです。またスクワットは、足腰の筋トレであり、これができると立ったり座ったりすることができます。バランス低下、筋力低下ともに転倒の大きな原因です。片足立ちは、途中で足をついてもいいので1分間。左右1セットで1日3セット行いましょう。どこかにつかまっても大丈夫です。スクワットは、肩幅より少し広めに足を広げ、椅子に腰かけるようにお尻をゆっくり下ろします。膝は90度を超えないように、ゆっくり5~6回繰り返します。これを1日3セット行います。痛みが出るようなら、医療機関を受診してみてください。
 いつまでも自分の足で歩き続けるために、日ごろからの運動習慣をつけ、歩行能力を高めておきましょう。